最近読んだ、気になる本の気になる部分を紹介。
2014年11月1日に初版が発行された
「宇宙船地球号はいま」(『地球村』出版)
というタイトルで著者は、高木善之(たかぎよしゆき)さん。
高木さんといえば、日本にいる臨死体験者の著名人の中の1人であり、1981年に臨死体験して見てきた未来ビジョンが現実化していることでも話題になっている方です。
1981年 4月の臨死体験で見た世界
1991年 10年後ソビエトの崩壊
2001年 20年後アメリカの崩壊
2011年 30年後日本の崩壊
2021年 40年後世界の崩壊
10年ごとに起こる崩壊の象徴となる出来事。いよいよ40年後の最後の崩壊、世界の崩壊の年となった今、確かに世の中は大きな大きな転換期を迎えています。
そんな高木さんの著書の1つである
「宇宙船地球号はいま」
の中には、地球を1つの宇宙船として考え、そこには人類を含む2000万種、見方によってはもっと多数の乗組員がいることを宇宙船地球号として表現し、様々な数値を使って、この地球号の現状と危機を訴えかけています。
例えば、身近なところでは、日本のゴミ問題を取り上げています。
日本は世界でダントツでゴミの焼却場が多い国。
過剰包装やらゴミに関する規制もゆるいことから、環境先進国に比べて、ゴミの量が10倍も多いそうです。
焼却場の建設は1基500億円、運転費は年間30億円もかかり、寿命は15年。
これは、1人あたり月1万円の税金が使われていることになるそうです。
他にも国内外、様々な問題を取り上げていますが、気になったのは、水問題。
アフリカでは1人10リットルの水で生活をしているそうです。
日本は、個人の生活用水(風呂、洗濯、炊事、トイレなど)を含めると1人300リットルの水が必要。
さらに生活を支えている農業用水、工業用水、さらに輸入されている食糧や工業製品で消費されている水(仮想水)を含めると、1人3.5トンもの水を消費しているそうです。
増え続ける人口と水の消費の社会を考えると、世界銀行の副総裁が
「20世紀は石油で戦争をしたが、21世紀は水によって戦争が起こる」
と警告したことも満更ではない時代にこれから入っていくことでしょう。
森林の減少もまた、度肝を抜かれる数字。
WRI(世界資源研究所)によれば
「文明化が始まった8,000年前と比べると森林の8割が失われた」
とされています。
森林が消えたら、あらゆる生命が絶滅してしまうので、残った2割をどれだけ大切にするかが問われるかの時代にも関わらず、毎年、日本の3分1以上の面積の森林が消えています。
世界最大の熱帯雨林のアマゾンも、残り50年という予測だそうです。
生物種の絶滅も危機的な状況であり、1万年前は「1年に1種」だった絶滅の速度も、現在は「1日に100種、1年に5万種」が絶滅しています。
5万倍の速度。

生物種の絶滅のグラフと、人類の人口増加のグラフは、皮肉なことに同じような比率となっており、人間が増えれば増えるほど、他の生物種は絶滅しています。
でも、やがて不自然に増えすぎた生物種は自然淘汰されるリスクも高まります。その来るべき時は、そう遠くない未来かもしれません。
最後に、本著の中に面白いカレンダーが紹介されています。
地球の歴史46億年間を1年のカレンダーに表現すると、どうなるか?というものです。
<地球の歴史46億年を1年のカレンダーにすると>
1月1日 地球が誕生
2月17日 海中に原始生命が誕生(単細胞)
5月31日 光合成の生物が誕生(酸素の発生)
10月13日 多細胞生物が誕生
11月23日 魚類の出現
12月1日 生物が海から陸へ上がった。植物、両生類の上陸。森林の誕生。
12月13日 恐竜登場
12月19日 鳥類出現
12月26日 恐竜絶滅、哺乳類の全盛期はじまる
12月31日 14時30分 人類誕生(500万年前)
23時49分 ホモ・サピエンス登場(10万年前)
23時59分 農耕を始めた(1万年前)
23時59分59秒 産業革命(200年前)
絶滅まであと何秒?
我々は人類時間と人類視点で日々生きてますが、地球時間と地球視点で今の世界を見ると、あまりにも異常事態の異常時代。
ごくごく平穏に地球は維持運営されていたのが、大晦日にとんでもない生物が最後に誕生し、この惑星を滅亡に追い込もうと大破壊をしています。
もう、さすがに目醒めないと人類の未来もありません。
そんなことに改めて気づかせてくれる本でした。