風邪の効用(野口晴哉)

「風邪は治すべきものではない。経過するものである。(野口晴哉)」

僕の中で日本トップクラスの治療家と思っている1人に、整体師の三枝誠先生がいますが、その三枝先生がまた師と呼ぶ治療家は、

「野口整体」

の創始者である野口晴哉先生。

その野口先生の

「風邪の効用」

は、とても面白い本であり、一家に一冊置いておくと便利な名著であると思います。

今、身近なところでも‘’風邪”が流行っていますが、世間一般は、あまりにも風邪に対して恐れすぎたり、対応方法もズレすぎている気が。

野口先生の

「風邪は経過するもの」

という考え方は、症状が出たらすぐさまに押さえ込もうとする今の現代医療とは真逆のもの。

「風邪は病気というよりも、風邪自体が治療行為」

と考える野口理論によれば、風邪の原因は、体の偏り疲労、偏り運動習性であり、鈍くなった体が弾力を回復するためのプロセス(経過)であると。

頭を使いすぎて頭が疲れても風邪を引く。
消化器に余分な負担をかけた後でも風邪を引く。
腎臓のはたらきを余分にした後でも風邪を引く。

でも、風邪を引いて偏って疲れている処が弾力性を取り戻すと、風邪を経過した後はより元気になる。

風邪を引かない体質というのは、よほどの健康体であるか、現代人の場合は、どちらかといえば、よほど体が鈍くなっている状態であり、風邪も引けないほど鈍くなった人は、ある日に突然として重病に陥ったり、ポックリ逝ってしまう。

風邪を引くこと、そのものは決して人体にとってマイナスではないということ。
むしろプラスの要素が多い。

ガンさえも、風邪で治ってしまう。

とはいえ、風邪は扱い方を間違えると、大きく体調のバランスを崩してしまう危険性もあるため、十分に注意が必要であり、本書は、その取扱説明書と言っても過言ではないもの。

高熱が出れば、冷やすのではなく、むしろ後頭部を40分間温めるのが良いと。
風邪を引いた場合のお風呂による治療方法なども書いてある。

風邪は経過するものと言っても、長く患うのは良くもなく、なるべく早く経過できるような敏感な体質となるのが理想。

野口先生は、40分から120分で経過してしまい、くしゃみを20回もしたら、大抵の風邪は出ていってしまう。

そして、風邪に対する対応方法も‘’呼吸”であり、背骨で息をして気を通すことで治してしまう。

さすがは伝説の治療家・・・。

今、日本に限らず、世界中で風邪が流行っていますが、上手に対応すれば、みんな免疫力も上がって元気になれるチャンスでもあります。

でも扱い方を間違えたら真逆の作用に・・・。

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