さて、ご案内が少し遅くなってしまいましたが、
2021年度の「八ヶ岳宇宙学校」の講座について少し現状をお伝えします。
2016年、2017年の自給菜園講座。
2018年、2019年、2020年の八ヶ岳宇宙学校。
八ヶ岳という舞台において、農業を中心とした年間講座を丸5年運営してきましたが、
2021年という大きな節目の時代、次なる講座をスタートします。
その名も「キブツ八ヶ岳」というもの。
キブツは、ヘブライ語の「共同体(コミュニティ)」という意味であり、
キブツ八ヶ岳は「八ヶ岳コミュニティ」という意味になります。
2021年からは、コミュニティの時代。
コロナ禍は、二極化をますます深刻化させるもの。
ウイルス1つに対する捉え方、マスク1つへの捉え方によって、
家族内、親しい仲間内でも、大きく価値観が違ってしまい、知らず知らずに溝や距離が出来てしまうような時代に。
さらに人と人の繋がりが閉ざされるような、自粛自粛の社会の中で、
本当に心から繋がりあえる仲間と繋がるのが困難な時代となっております。
そんな“表の社会”の中でしか生きられないと、そこは窮屈で、マスクがなくても息苦しい世界。
今、多くの人々が、その繋がりの閉ざされた息苦しい世界に限界を感じています。
そこで大事になってくるのが、表社会をマスクと仮面をつけて生きながらも、
もう1つ本当の自分の姿を見せられる別の社会を生きること。
本当の自分を生きられるコミュニティを見つけ、
そこで本当の自分のミッションに生きることがこれから大切だと思います。
それも本当の仲間たちに囲まれて。
「そんなコミュニティ、どこにあるの?」
と思うかもしれませんが、
八ヶ岳はすでに次の時代の雛形となるコミュニティ活動が始まりつつあります。
5年前、まだまだ小さかった我々の農地も、2021年は5.5町歩(16,500坪)の規模。
その中でも田んぼは、20枚もあって10,500坪という広大な面積となっております。
我々が手がける農地は農薬や除草剤はもちろん、無肥料の自然栽培。
イスラエルのキブツも農業から始まったコミュニティであり、八ヶ岳も農業を中心に人と人の繋がりが増え、
多くの人々が八ヶ岳の地に移り住んできました。
もちろん、もっと前から移住されてコツコツと様々な活動をしてきた先人移住者や地元民もいます。
地元の人も、古い移住者も、新しい移住者も、みんな同じ意識を持っているのが、八ヶ岳の特徴。
同じ意識とは、より“地球人”としての自覚を持っている人々であること。
だから農業でも自然栽培が非常に多く普及していたり、
自然食、オーガニックレストランも、狭いエリアの中に関わらず、たくさん存在しています。
そして、雄大で豊かな自然環境。
人と自然が豊かなのが、自分自身も八ヶ岳を拠点に選んだ大きな理由の1つです。
ただ、こんな八ヶ岳でさえ、見えないところでは、多くの問題や課題を抱えております。
例えば農業。
農業にも農薬や肥料を一切使わない自然栽培から、農薬や化学肥料もたくさん使う慣行栽培までたくさん種類があります。
慣行栽培の中でも、農薬や肥料を使う量は農家によって様々。
最近の八ヶ岳エリアは、これまで近隣では見たことのない
「白いマルチ(畑の畝にかかっているビニールのようなシート)」
を見かけるようになりました。
これは、お隣の長野県の高原エリアで活動するレタス農家のレタス畑。
どこの誰が、農地を借りて何を栽培するのも自由ですが、レタス農家は、膨大な量の農薬と化学肥料を使うので有名です。
その白いマルチで覆われたエリアは、近づくだけで肥料の腐敗する匂いが漂い、
栽培期間中になると、早朝に外国人労働者がトラックでやってきて、農薬や除草剤を大量に散布しています。
その多くが、子供たちの通学路であったりと、近隣に住む住人だけでなく、地域の子供たちにもその影響を及ぼしています。
なぜ、そんなレタス農家が増えたのか。
それは農地を管理できる人々が地元にいなくなってきたからです。
今や農業といえば、全国どこも高齢化と後継者不足の問題が深刻であり、
八ヶ岳も年々、農地を手放す農家が増えています。
コロナの影響もあって、2020年は特に農業を辞める農家が多く、我々も一気に引き受ける田んぼが増えることに。
「どんどん規模が大きくなって良いですね」
と思うかもしれませんが、農地は管理する規模が大きくなればなるほど、経費がかかってくるもの。
田んぼにしろ、畑にしろ、借りるからには責任が伴い、雑草ボーボーなどのまま管理していると、
こっぴどく怒られてしまい、場合によっては、この先に農地を貸してもらえなくなる可能性も。
夏など、田んぼの畔(あぜ)まわりにおいては、いくら草刈りをしても、すぐに草だらけとなってしまいます。
だから、多くの農家は、除草剤を撒いて、効率的に草の管理をしようとします。
でも、その選択は、我々には最初からないこと。
いかに人力で協力しながら農地を管理していくかありません。
去年の農地の増え方を見ると、今年もまたさらに農地を手放す農家は増えることでしょう。
そして、空いた農地を我々が借りないと、次に待っているのは隣県のレタス農家さん。
ただ休耕地となるだけなら良いですが、農薬と化学肥料たっぷりの農地が増え続けてしまうと、
あっという間に八ヶ岳の土壌、水源、空気までも汚染されてしまいます。
だから、この先は無理することなく、でも投げ出すこともなく、
同じ意識を持ったみんなで農地も守っていく方針に切り替えました。
それと同時に、八ヶ岳には前述したように素晴らしい個性を持ったメンバーが集っているので、
そのメンバーが自分の能力をフルに発揮し、そこでみんなが助け合うことですべてが循環する社会が創れないか。
いよいよコミュニティをリアルに形成して実践していくタイミング。
では、何をもってコミュニティとするのか?
ただ、口約束だけでのコミュニティごっこでは、すぐに人は離れ、なかなか現実的に形にならないもの。
イスラエルは、まだまだ広大な砂漠の荒野が残っており、そこを開発して、ユダヤ教で繋がる国民同士でコミュニティは作りやすい環境です。
おまけに政府が資金なども支援もしてくれます。
でも、日本でコミュニティを組織化すると、一歩間違えると
「おたくは宗教団体ですか?」
と言われるのがオチ。
まして、オウム真理教のイメージが強い山梨県、そして組織の中心に髭面の怪しい男がいれば尚更。
無宗教で宗教への偏見が強い日本では、もっとも無難に組織を形成するなら、やっぱり会社法人の組織。
その中でも、人と人の繋がりで、社会活動などの事業や活動にマッチするのは、一般社団法人という法人組織です。
「あっ、一般社団法人でコミュニティを創ろう」
と、ふと思ったのは、仕事納めも終えた、12月29日の夜、外食している最中に突然降ってきたもの。
そして、年明け、近しい人々に
「一般社団法人キブツ八ヶ岳という法人を今から作ります」
と宣言して、先日ついに定款を定めて登記申請をしてきました。
今日は、その定款に書かれた「目的(理念)」と「事業内容」の一覧だけをご紹介。
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第2章 目的及び事業
(目 的)
第3条 当法人は、地球人としての自覚をもって循環社会のモデル構築に関する事業を行い、持続可能なコミュニティ活動の推進を目的とする。
(事 業)
第4条 当法人は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。
(1)自然栽培による農業の普及支援
(2)山林保全・水資源保全・土壌環境保全への支援
(3)コミュニティ会員の健康増進と憩い学びの場の提供によるマッチングの推進
(4)子どもの教育・食育への貢献
(5)八ヶ岳エリアへの移住・拠点づくり支援
(6)伝統的なものづくり活動及び革新的な芸術活動への支援
(7)地域の食材を生かした加工品の創造・発掘の支援
(8)持続可能なエネルギー開発の研究支援
(9)地域の観光開発の持続化・発展の支援
(10)先端的なIT技術の研究開発・普及の支援
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物質的なことが重要視されている文明から、
精神性が重要視される文明へ。
人々の意識が肉体や物質的なものだけでなく、目には見えない領域にも向くようになれば、
おのずと肉体から見える世界ではなく、肉体を超えた世界から俯瞰して世界が見えるようになります。
多くの人々が、やがて個人や民族、国境や国の意識を超えて地球人(アースリング)としての自覚が生まれると思います。
世界を運営するトップの人々が、もし地球人としての自覚を持っていれば、
今のような世の中、文明にはなっていなかったでしょう。
残念ながら、今のリーダー達の理念は、宇宙や地球規模で物事を捉えておらず、
人間中心、自分の国中心、今さえ良ければ、お金さえ儲かればが優先的になっています。
そんな分離の理念が中心にあると、世界の経済も社会もはちゃめちゃで、まとまりません。
気づけば、自然も破壊できるところまで破壊し続け、後始末が一切できない状況に。
本来、国のリーダーが“地球人”であれば、その役割と責任から逸脱するような活動を国内では許可しません。
地球人であれば、この惑星のすべての生命が循環するために知恵と体を使い、
この惑星が長く継続できることに貢献する理念で国造りをします。
すると、環境を破壊する経済活動や社会活動はしませんし、
同じ地球人にとって有害となる行動もしません。
地球人としての自覚と責任を持てば、すべてが助け合いの循環社会が生まれるのに、
多くの人々が、そのことを忘れてしまったが故に、今の世界は破滅の方向性、持続不可能な未来へ向かっています。
でも、気づいた人々が繋がり、行動を起こせば、そのエネルギーは最初は小さくとも、
やがて時代の波が後押しし、ある臨界点を超えたら、大きく世界の人々にシンクロ現象を起こすと思います。
八ヶ岳は、そんな雛形社会を現実的に作り、意識の渦の中心となる拠点の1つとなれば。
そのために、新たに一般社団法人を設立しました。
今年からの八ヶ岳宇宙学校は、この一般社団法人キブツ八ヶ岳が主導となって運営していきます。
今は八ヶ岳の有志のメンバーがボランティアで集い、コミュニティ構築の準備をしています。
定款にある目的と事業を果たすために、プロジェクトを作って、チームに分かれて協力しながら、現実を動かしていきます。
そして、これは全国にいる同じ意識を持ったメンバーの皆様方と一緒に、役割に分かれて一緒に組織を構築しようと思っています。
その辺の具体的な内容は、また少しずつメルマガやブログ等でご紹介していきますので、
是非とも地球人の皆様と一緒に、この先の新しい文明社会の共同創造を実践していけたらと思います。