「ドーホーさん、ドーホーさん」
最近、自然栽培の指導者として噂を耳にしていた不思議な名前の方。
「農業に詳しいお坊さんか何かかな?」
と思っていたら、その名を持つ道法正徳さんが八ヶ岳へお越しになるタイミングがあり、お会いすることができました。
自然栽培果樹のパイオニアと呼ばれるレジェンド。
1953年生まれの道法さんは、現在67歳。もうすぐ68歳。
広島の農家生まれでしたが、JAの農業指導員として果樹の指導に長年関わり、
700軒もの農家の指導に明け暮れていたそうです。
でも、農協(JA)から教えられたマニュアルのまま農家へ指導しても、全然良い結果が出ない。
剪定の仕方、肥料のやり方、土づくりのどれも。
それでおかしいと思い、植物をとことん観察するにあたって、独自の農法を構築。
それは、皮肉なことに農協で教えられていたことと、すべて真逆とも思える方法にこそ、農薬も肥料もいらない、難関と言われる自然栽培で美味しく、手間なし、収量の多い果樹栽培を実現することができたのでした。
「土づくりなんかしなくても良い。植物を観察し、適切な処置をすれば、手間暇関わらず農業で稼げる」
上へ上へ、重力だけでなく引力も考慮した果樹栽培。枝には縦と横の枝がありますが、通常は縦の枝は切ってしまうのを横の枝を切って縦を伸ばす。
実は枝は、縦に伸びるとホルモンの流れ方が全然変わってくる。
さらに枝を縛って縛って、まとめていく。刺激を受けると、また美味しく、収量も多くなる果樹。
道法さんの農法は、かなり個性的でありますが、でも結果として出るので、自然の理にかなっているのでしょう。
野菜やお米はともかく、果樹というのは、農薬や化学肥料が必須とも思われている栽培でしたが、いよいよ果樹も自然栽培が当たり前、それでいて手間暇かからず、生計も立てられる。
ちなみに農協は30年ほどやったところで、組織に従わない異端の問題児として左遷に左遷され、結果的に途中で退職。
でも、自分を信じて突き進み、その技術を確立した道法さんは、独立後も全国あちこち、世界にまで引っ張りだこの人気者に。
まだまだ世の中には、素晴らしい活動家がたくさんいます。