登り窯陶芸工房の再建

キブツ八ヶ岳プロジェクト「登り窯陶芸工房の再建」。

現在、開発中のリトリートドーム(キブツ八ヶ岳コミュニティセンター)プロジェクトのお隣さんは、八ヶ岳最大規模の「登り窯」を有する陶芸工房。

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まるでナウシカに出てくるオームのような風貌の登り窯は、1度に1,000個以上もの作品が焼けるほど、超巨大な窯。

1度に使う薪の量は2200束。1週間前後も火は焚きっぱなしで、火を絶やさずにみんなで寝ずの番をする一大プロジェクトになります。

でも、この八ヶ岳の日本有数の立派な登り窯、実はまだ1度も稼働したことがないのです。

登り窯そのものが完成したのは、10年以上も前ですが、現在80歳を超える陶芸家のおじいさんが1人で自作で作った登り窯であり、完成時に資金も底をつき、また同時に体力も底をついてしまったのでした。

ここまで頑張った窯おじいさんもすっかり意気消沈してしまい、陶芸工房も、その時からしめて、すっかり工房は荒廃していき、ただ時間だけが過ぎ去っている状態が続いていました。

そんなタイミングに、自分が隣地の開発を手掛け始め、ご挨拶がてら訪問すると、上記のようなお話を聞くことになったのです。

「これ1人で登り窯も小屋もおじいさんが作ったの?」
「せっかくここまで作った登り窯、なんとか火を入れましょうよ!」

と提案するものの

「私たちには、もう資金も力もないので・・・」

と仰るので

「隣に来たのも何かのご縁なので、我々が資金も人員も出します」

と思わず言ってしまったのです。まだ、自分のところを開発する資金の目処も立っていないのに。。。

「それなら・・・やりましょうか!?」

希望の光を取り戻したオーナーの目がキラキラ輝き、俄然元気になって、動き出したので、その姿を応援したく、この

「窯プロジェクト」

は突然動き出したのでした。

まず最初の取り組みは、登り窯が入っている小屋(オーナーセルフビルド)の整理整頓。

窯を稼働させる前に、この中に陶芸に必要な釉薬(ゆうやく)や土などの資材からゴミなどがてんこ盛りの状態を整理する必要があります。

そのためには、大事な資材や作品を移動させて丁寧に保管する小屋が新たに必要だと。

「小屋、作りましょう!」

こうして、キブツ八ヶ岳メンバー内のDIYチームが動き、この真冬の期間の間に、コツコツと小屋づくり作業が始まったのでした。

ところが、提案された小屋は、もはや小屋とは言えないほど、どでかいもの。

「これ小屋っていうより、人が住めそうな家じゃん・・・」

と思いつつも、ここまで来たらやるしかなく、我々も限られた予算の中で試行錯誤し、なんとかおじいさん希望通りの小屋を先週にようやく完成させました。

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次のステップは、完成した小屋にラックを移動させて、焼く前の作品を並べたり、資材の搬入をすること。

同時に産廃コンテナ(2m×4m)を手配し、そこに不要なものを投げ込んでいく作業。

これが終われば、登り窯の小屋の中はすっきりするはずで、そこから登り窯のメンテナンスをし、火を入れられるかチェック。

そして、母屋のアトリエスペースも整理したり、ワークショップスペースも整え、八ヶ岳に来た人々が、陶芸体験ができる環境を生み出していきます。

ここは縄文メッカの中心地。縄文といえば火焔型土器。

令和縄文のネオ縄文文明をコンセプトに掲げ、八ヶ岳の地で、再び焼き物、物づくり、アートの文化を再構築していけたらと思っています。

今年の春分3月20日から始まる、キブツ八ヶ岳(宇宙学校2021)では、この窯プロジェクトも大事なコンテンツの1つ。

無事に火を入れるところまでのリノベーションも手掛け、火が入った後も、コミュニティの陶芸工房として有効的に活用させて頂く予定です。

是非、みんなで力を合わせて寝ずの番!をお祭り感覚で楽しくやれたら何だか楽しそうだと。

器や湯呑みも自給自足にチャレンジ(個人的には、将来蕎麦職人になるための器づくり)!

ご興味ある方は、是非とも一緒に陶芸工房の再建にご協力いただけたらと思います。