八ヶ岳グルメナビ【ミシュラン編】。 八ヶ岳えさき

八ヶ岳グルメナビ【ミシュラン編】。
八ヶ岳えさき。
 
グルメな街、八ヶ岳南麓には、まさかと思うお店があります。
 
「ミシュランガイド東京7年連続3つ星」
 
に選ばれた東京青山の日本料理
 
“えさき”
 
が、なんと八ヶ岳に2018年より店舗を移転しました。
 
ミシュラン3つ星となれば、ミシュラン最高峰の勲章であり、日本でも毎年10店舗前後しか選ばれない、まさに世界に通用する日本代表料理店となります。
 
そんなお店の1つが、なぜ八ヶ岳に!?
 
それも、八ヶ岳の中でも、標高1300m近くもある、山の中の山の中、周囲には民家もほとんどない奥地にポツンと佇んでいます。
 
地元民でも、ほとんど来ないエリアであるし、お店があっても、なかなか普通は足を運ばないところ。
 
ここでお洒落な店舗を構え、1日に限定1組(昼・夜それぞれ1組6名まで)で営業しているという都市伝説のような噂は聞いてましたが、いかんせんコースで2万円という金額もあって、これまで訪れることは1度もありませんでした。
 
だって、八ヶ岳は、安くて美味しいお店がたくさんあるし、東京のミシュランとはいえ、自分自身、お付き合いで東京の高級料理店などもご一緒する機会も稀にありますが、いつも残念な結果であり
 
「これなら八ヶ岳の美味しい蕎麦を食べた方が・・・」
 
と思うこともしばしなので。
 
東京は素材の味やシェフの腕よりも、場所代が金額の大部分となっており、正直、コストパフォーマンスが高い“美味しいお店密度”で言えば、八ヶ岳の方が都会よりも断然高いと思っています。
 
そんな矢先に知人より
 
「八ヶ岳えさきの予約を入れていたのに行けなくなったので代わりに行きませんか?」
 
というお声がけが。
 
聞くところによると、数ヶ月先まで予約がいっぱいで、この時期は予約も取れないとか。
 
こちとら、自称八ヶ岳グルメナビリポーターとしてのプライドもあり、
 
「ミシュランがどんなもんじゃい」
 
と、道場破りの心構えで八ヶ岳えさきを訪れることにしました。
 
結果、、惨敗。
 
ミシュラン恐るべし。というか、江﨑新太郎さん恐るべし。
 
自身、添加物過敏症の傾向があって、おかげで味覚にはそれなりに敏感な方ですが、頭が混乱するほど
 
「なぜ、こんな旨味と調和が取れるんだ???」
 
と、道場破りの意気込みは最初の一口で吹き飛び、滞在中ずーっと感動しっぱなしでした。
 
素材は、やはり一級品のものばかり。
 
この100点満点の素材を100点のまま活かせる料理人は少なく、腕が悪いと90点、80点と逆に落としてしまいます。
 
でも、江崎さんは、この100点の素材の限界を突破し、120点にする腕を持っています。
 
これぞプロ中のプロ。素材に負けないどころか、ここまで素材の限界を突破する味を体験したのは初めてです。
 
ミシュランもすごいですが、やはりそんな料理人が選ぶ八ヶ岳もすごいなぁ、と感心。
 
江崎さんに聞くと、土地はずっと前に購入しており、八ヶ岳南麓は大好きで昔からよく訪れていたそうです。
 
もっと早くに引退して、こちらの生活も望んでいたようですが、ミシュランの影響もあって東京が忙しくなってしまって八ヶ岳移住ができず、そこで2018年にお店ごと、こっちに引っ越して来てしまったとか。
 
「ちなみに次に予約が空いているのは?」
 
と聞くと
 
「えー、10月からならランチは予約できますね」
 
と。
 
え?1日に1組6名までとは言え、7月、8月、9月とすでに全部が昼も夜も予約いっぱい。
 
それも土日営業とかではなく、水木休みで、週に5日営業していいて。
 
ここは東京ではなく、八ヶ岳であり、それも標高1300m近い山奥の中、それも1人2万円で。
 
計算するととんでもないビジネスモデルなので、こんな事業もあるのかと驚きましたが、江崎さんは職人らしく淡々しているどこか宇宙人のような方であり、とにかく凄い人がまた八ヶ岳にはいるものだと驚かされました。
 
ということで、普段のカジュアルなグルメナビとは違って、ちょっと番外編となりますが、興味ある方は、是非とも一度予約されてみてください。
 
自分自身、生きているうちに食べておいて良かったと、本当に感動したので。

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